初めての個人の人でも、気軽に?参加できるようになり、入札者も増え落札金額も上がりました。
しかし、注意してください。あくまで競売は競売です。
そのリスクをとってまでなんらかのメリットがなければ、一般の流通している通常の取引売買で不動産を手に入れたほうが安全です。
最近の競売事例では、通常の売買と変わらない価格で落札されていたりするケースも見かけるようになりました。
あくまで、価格が安いからこそ不動産競売のメリットがあるのであって、価格が変わらないなら、通常の売買で不動産を手に入れるべきです。
高値で落札している、昨今の不動産競売は今はあまりメリットがなくなったのかもしれません。
★不動産競売のメリット
競売 = お買い得 と思っている方が多いようですが、オークション形式の入札ですので、落差価格が上がれば、安くない物件が増えています。
法律が整備されつつある中、素人の個人さんがかなりの数、参加されるようになりました。それと不動産ブームにのり、プロである不動産業者がファミリータイプなどの短期で転売による利益が確保できる物件をかなりの金額で落札しているケースもみうけられます。
競売はやはり、立ち退き交渉や権利関係でリスクがある以上、そのリスクに見合ったメリットがなくては競売で購入する必要はありません。
通常売買で指値をして安く買ったほうが良い場合もあります。
個人の方は、競売だから必ず安く買えるとの思い込みが強い場合がありますので、きちんとした相場の把握などの市場調査の大切さをもう一度確認してほしいと思います。
落札結果を見ていると、最近の競売市場は特に都心部は高額になる傾向がありますので、十分な注意が必要です。
「競売不動産を購入する」のが目的ではなく、「競売不動産を購入して収益を上げる」のが目的です。
不動産の仕事をしていると、自称投資家さんとお話しする機会も多いのですが、どうも不動産を手に入れたことに満足されている方がいらっしゃいます。
大家さん業もれっきとした事業です。経営をしている意識をもって、収入と支出をコントロールし、長期的な利益を上がられる不動産を見極めて、家賃を手にし、金持ち大家さんを目指してほしいです。
★不動産競売、裁判所の資料三点セットとは
競売不動産でよく耳にする、三点セットとは……
裁判所が入札者のために用意した裁判所で閲覧できる資料の中で特に重要な、物件明細書 現況調査報告書 評価証明書、この三点を称して、三点セットといいます。
競売物件を入札しトラブルを事前にさけるためには特に重要な資料ですので、この三点セットの基本的な内容の理解は必要不可欠です。
物件明細書
裁判所の最終的な権利関係の判断が書かれています。
落札者(買受人)が引き受ける権利関係など情報が書かれています。
その他参考となる事項も書かれていますが、裁判所が調査を元に判断した認識を記入しているだけで、権利関係を確定するものではありませんが、引渡命令などが発令出来るかどうかの判断の材料にはなります。
ただ、のちの裁判によって権利関係が変わることもあり、入札に際しては自身での現地調査は欠かせません。
※この物件明細書を過信しすぎると危険ですが、一応入札するかどうかの判断材料にはなりますので、十分に内容を理解することが必要です。
現況調査報告書
執行官が調査命令において現況を調査します。執行官には強い権限が与えられていて、物件内部への立ち入りなどによって写真などをとり現況を調査します。
その上で権利関係や占有状況などの調査の内容を記載します。
かなり詳しく調査の内容が書かれていますので、入札の際には調査内容をしっかりと理解し吟味する必要があります。
内容をしっかり理解したうえで、自分自身でも現地調査をして内容の確認を取るのがベストです。
裁判所によっては、資料の閲覧が可能になるまでに調査から半年以上経過している物件もめずらしくないので、時間の経過とともに現況も変化している可能性が高いので、現地調査がやはり大切です。
評価証明書
裁判所が指名した評価人、通常は不動産鑑定士が物件の価格などの評価をします。その評価の過程などが細かく書かれた資料です。
評価額や周辺の状況などが記載いされていますので、参考にする大切な資料です。
不動産の評価と法令上の規制などの関係なども書かれていますので、しっかりと内容を理解把握する必要性の高い重要な資料です。
管理費の滞納や収益還元方で算出した評価、土壌汚染の調査結果など、あらゆる調査がされています。
以上競売に参加するためには必ず理解が必要な最重要資料である三点セットの簡単な解説です。それぞれのより詳しい内容の理解が不可欠ではありますが、大まかな流れをまず理解することが大切です。
★短期賃借権とは
競売物件の購入を考えている方で一番心配される点は、占有者との交渉ではないでしょうか。
落札できても、不動産を引き渡しを受けて初めて人に貸したり、転売したりできます。占有者が出て行ってくれなければ、人に貸すことも自分で住むこともできません。。。
しかし何も恐れることはありません。権限のない占有者を追い出すのは昔ほど難しくありません。それに交渉しだいで穏便な退去は可能です。
そうでなければ誰も競売物件なんて買いませんし、近年これだけ競売市場が注目されることもないでしょう。
あとはきちんと裁判所の資料(三点セット)を理解することが大切です。
私の経験ですが、短期賃借権のない占有者、権限のない一般の入居者が多額の引越し料を請求してくることもあります。
調査の段階では、普通の入居者だと思っていたのですが、落札後交渉に入ると、態度がいっぺんしました。
よく話を聞いてみると、へんな不動産屋に「いれじえ」をされたみたいで、かなりお金をもらえると吹き込まれたみたいでした。。。
その不動産屋も調べて見ると、ただの町の不動産屋で競売のことをよく知らないことがすぐにわかったので、その後はこちらが主導権をにぎり、強気な態度で交渉を進めました。
基本的に権限のない入居者(占有者)は、引き渡し命令を受けるとビビります。
裁判所から、今まで見たこともない書類が届きますから、ふつうの人はそこでビビって交渉に乗ってきます。
引渡命令でもひるまない、頑固な占有者に対しては、そのまま淡々と事務的に強制執行の手続きを進めます。
手続きが進むと、国家権力を持った執行官が「何時何時までに立ち退きをしなさい」という通知をしますので、その段階までくれば、ほとんどの占有者はビビって、交渉に応じるか、勝手に退去をしてくれます。
所有者や入居者(占有者)の物件で実際に強制執行まで行ったケースは私の場合はありませんでした。
やはりお国の力は偉大で、普通の神経の人は諦めます。
強制執行を経験した人の話を聞くとすごく後味が悪いそうです。泣き叫ぼうが、ごねようが、字のごとく強制的に荷物を運びだします。
強制執行をされる側もする側もすごく後味が悪く、気分の良いものではありません。
意地をはらずに、引越し代を貰って早期に退去するのがお互いのためにも一番良い方法ではないでしょうか。いくら頑張っても法治国家である国の権力の前では個人の力なんて小さなものです。
話し合いで解決するのが一番です。自分に置き換えて考えると、裁判所から引き渡し命令がきたら私ならビビって逃げます。(笑)
★落札金額予想の方法とは
落札金額を予想し入札価格を決める方法ですが以下の三通りの方法があります。
最近の不動産競売市場は、相場や状況が変化していますのできちんとした市場調査が必要ですが、落札金額を決める方法として
@過去の競売事例を参考にして決める方法
去年の落札金額など過去の競売の落札価格を目安にして、落札金額を予想する方法。
A収益性を基準にした収益還元法
家賃相場から収入を確定させて、利回りを逆算して収益性を基準にして入札価格を決める方法。
B通常の売買事例の取引価格を参考にして決める方法
通常売買の取引金額を調べ、その価格から入札金額を決める方法。
大きく分けて3つの方法がありますが、私の場合は、収益用の不動産投資ですので、Aの収益還元法を基準にしています。
あくまで収益を目的として不動産を購入しておりますので、Aを参考にするのが基本です。
転売を目的とする業者さんはBを基準にします。
この3つの方法と市場調査の結果で落札予想金額を総合的に判断します。あくまで競売不動産は個々の物件により状況が違います。
@過去の競売事例を参考にして決める方法
競売の過去の事例を参考にする方法は、過去のデーターをきちんと保存しておくとより緻密な計算ができます。
ただ裁判所などが運営しているホームページで、過去の結果が一覧で表示されていたりしますので、大体の数字は調べることができます。より入札する物件に近い条件の過去事例を参考にします。
私の場合、大阪市内の競売物件に関してはより緻密なデーターを毎回保存していますので、より正確な数字がでます。
区分所有のマンションで、戸数の多いマンションですと同じマンションの過去の事例があったりしますので、より予想しやすくなります。
同じ、マンション内で事例がない場合でも、近くの同じような物件で調べていきます。
より正確な状況を判断したければ、通常売買の物件や過去の競売物件の過去のデータを調べて、そのあとでここの物件の状況を調べ、入札価格を決めることをおすすめします。
実際に物件を調べれば調べるほど、経験値が上がります。たくさんの物件を見れば見るほど、判断が早くなり、良い不動産、悪い不動産の目利きができるようになります。
不動産は一日にしてならず、、です。10件や20件程度見ただけでその気になってはいけません。
一生に一度の買い物である、家(自宅)を買うのに3・4件見ただけであっさりと契約をして、ローンを組む人がいますが、私には信じられません。
お金持ち大家さんを目指すのであれば、収益を生む不動産を見極める必要があります。経験を積むこと自体がリスクヘッジになります。
時間を惜しまず投資しましょう。
A収益性を基準にした収益還元法
まずは相場家賃の把握が大切です。この数字が間違っていればすべての計算が狂います。きちんとした家賃の把握が必要不可欠です。
インターネットで簡単に調べられますが、最終的な判断は最寄り駅の賃貸屋さんに物件の間取りなどの詳細を伝え、相場を聞くのが一番正確です。
最初の段階はインターネットなどで間取りや築年数、駅からの距離などで入札を予定している不動産により近い条件の物件を探し、家賃帯を調べるだけでもある程度は相場が把握できます。
何十件も調べれば、大体の相場観が見に付きますので、その数字を参考に収益性を判断します。
(月額家賃 − 管理費・修繕積立金)× 12ヶ月 =年間実収入 ÷ 利回り = 入札金額
例えば、予想家賃が8万、管理費・修繕積立金 10,650円
80,000 - 10,650 = 69,350 × 12 = 832,200 (年間実収入)
832,200 ÷ 15% = 5,548,000
総購入費用が5,548,000で収まれば、純利回りで 15%が確保できます。
私の考えですが、築30年以上の物件は出来るだけ早くに投資資金を回収したいと考えますので、15%ぐらいの利回りは確保したいところです。
もう少し築年数の新しい不動産だと純利回りを12%ぐらいで計算しても良いと思いますが、リスクヘッジの一つだと考えて利回りは高めに設定しています。
トータル \5,548,000 の諸経費を逆算して入札価格を計算します。個々により諸経費は違います。こんな感じで収益から入札希望価格を算出する方法もあります。
B通常の売買事例の取引価格を参考にして決める方法
過去の通常売買事例ですが、私たちプロは過去のデータを簡単に知れべられますが、普通の一般の方は難しいかもしれません。
あくまで、プロの業者さんが転売を目的に入札する場合の目安になります。
リフォームして再販売時の価格を把握し、そこから税金や手数料などの必要経費と利益を計算し入札価格を決めます。
一般の人には、あまり使用しない方法かもしれません。
転売価格を予想したとき、築30年以上のマンションは敬遠されることがあります。あまり良い値段では売れないかもしれません。
私の個人的な考えですが、キャピタルゲイン目的の転売はおすすめしません。お金持ち大家さんを目指し、インカムゲインの家賃収入を目的に投資をすべきだと思います。
不動産を所有している限り、入居者がきちんと確保できる限り、家賃収入を得られます。
転売すれば、一時期の利益で終わりますし、そのわずかな利益に対して40%以上の税金がかかります。
ただし物件を増していく中で、転売をすることにより、より大きな効率の良い投資ができるなどの条件が整えば、転売することも視野に入れてもいいとは思います。
★競売物件の引渡交渉
先日、知人から頼まれ競売の入札代行をすることになりました。初入札の方でしたが、見事落札!!その後の手続きを私がすることになり、代金納付や所有権移転手続きなどを済ませました。
空き家の不動産で、部屋の中に少しだけ荷物が残っていてなんとかしなければいけませんでした。ゴミ袋3〜4個分程度の荷物でしたが、こちらが勝手に捨てることは出来ません。もし勝手に撤去した場合、損害賠償請求や訴訟を起こされる可能性があり、その場合負けます。
競売で落札したのはあくまで不動産であり荷物などの動産は含ませていません。動産の所有権は、債務者側にあります。調査の段階から元所有者を探していましたが、なかなか所在がわからず、、、根気強く地道な調査を続けていました。
そして最近、居場所がわかりました。落札した不動産から歩いて10分もかからない賃貸マンションへ引越しをされていました。
空き家の物件でも通常はプロの調査網を使えば意外と簡単に見つかるものです。今回、あまり手がかりがありませんでしたが、その理由がわかりました。。。
なんと、元所有者の男性は亡くなっていました。亡くなった理由まではわかりませんでしたが、調査の結果、奥さんとお子さんの居場所がわかり、そのことが判明しました。
どんな理由なのか知りませんが、競売とは知られたくない人生の奥まで見てしまうことがあります。精神的に強い人でないとなかなか大変かもしれません。
ただ、落札した人しか閲覧できない裁判所が保管している資料に元所有者の情報が残っている場合も多く、所有者は見つかるケースも多いです。
所有者自身の性格や常識があるかないかにより、引き渡し交渉がスムーズに進むかが変わってきます。
世の中には驚くほど自分勝手な人や、まったく人の話を聞かない人がいます。
通常の売買は売主さんが望んだ売却ですが、競売は売主さんが望んだ売却ではありません。ここが大きな違いです。
そのことを十分に理解した上で交渉に臨みましょう。 |