ヒューザーの小嶋社長が言っていましたが、だれがお金を支払って欠陥品を作れという建築主がいるのか。と声荒く語っていましたが、小嶋さんの言っていることに説得力はありません。
なぜなら、分譲マンションの場合の売主(ヒューザー)は建築コストを安く抑え、販売することにより利益を確定しているからです。
分譲マンションの事業主は、物件が売れればその時点で利益が確定します。
しかし投資用やホテルなどの建築や賃貸住宅用のオーナーさんたちは事情が違います。
賃貸マンションの特徴として何十年も入居者を確保して初めて利益がでます。
大家さん、ホテルのオーナーは長期投資です。
販売して利益を得る短期的な投資とは根本的に違います。
賃貸マンションのオーナーさんたちも立派な被害者ですが、当時のニュースではあまり報道されていませんでした。不思議です。
それに賃貸マンションのオーナー達は、住宅ローンを組んだ分譲マンションの人たちとは違い投資の対象としてマンションやホテルを作りました。だまされたことに変わりはありません。
地震の多い日本では命にかかわることですので、関心が強かったと思いますし、二度と起こってほしくない事件です。
私の考え方ですが、騙した方が悪い。これは当たり前ですが、だまされた方も、ただ他人のせいにばかりしたり、他人の助けばかり求めるのではなく、リスクはいつも存在することを理解し、自分でそのリスクをコントールする方法を学ぶべきだと私は思います。
少し厳しい見方かもしれませんが、どの時代でもどの世界でも人を騙そうとする人間は必ず存在します。100%だまされない方法を探すより、詐欺にあったり騙されたときにそのリスクをコントロールする方法を学ぶ方がより安全ではないでしょうか。
詐欺などを100%防ぐ方法などないような気がします。
もちろん、騙した方が悪いに決まっていますが、ただそれを責めているだけではなんの成長も解決もできません。少し考え方を変えるだけで成長できるチャンスがあるような気がしました。
リスク回避の方法で言えば、自分のローン返済をめいっぱいに住宅ローンを組むのではなく、安い中古のマンションでゆとりある返済プランを組めば、そのローンを払いながらでも、他に賃貸や住宅ローンを組むことが可能です。
目一杯ローンを組んでしまうと、住宅ローン返済でぎりぎりでそれプラス、賃貸の家賃やさらに住宅ローンを支払うゆとりがなくなってしまいます。
そのため、命を脅かされながら、そこに住むことしか選択できない状況になってしまいました。
選択する自由を得るために投資は存在するのだと思います。
★耐震偽装問題のもう一つの教訓
騙された購入者の人は気の毒だと思いますし、騙した建築主、施工会社、建築士は許せません。
一生に一度の買物である夢のマイホーム、一生をかけて支払い続ける住宅ローン。
命の危険を感じながらも、そこに住み続けるしかない方がたくさんいます。
でも、もし資産がたくさんあれば、どうだったでしょうか?
5,000、6,000万円もする夢のマイホームを買う前に、きちんと資産の基礎を築いていれば、命の危険をかんじながらも住み続ける必要はなかったのではないでしょう。
私なら、5,000万円ものローンを自分で支払うことは考えずに、他人に支払ってもらう方法を探します。
私は現在25万円ほどの家賃収入を得ています。仮に金利1%、返済35年、借入金5,000万 の条件で月々返済額が14万ほどになります。
資産である不動産からの家賃収入がローンを支払ってくれていれば、自分の給料はそのまま残っているので、とりあえず危険を回避するための引越しがいつでも出来る状態にあります。
ただ一般の人は給料だけの収入に依存をしているために、今回のこのような事件が起こっても引っ越すことも出来ずに、リスクを背負うことになってしまったのではないでしょうか。
命のかかったリスクです。なんとしても避けなければいけません。
今回のこの事件のもう一つの問題は、給料だけに依存している生活がいかに危険であるかを物語っています。
この見えない危険、リスクに気づいている人が何人いるかはわかりませんが、私は偽装問題が大きくなるにつれ、このお金の裏側の危険をすごく感じました。
たった数百万の投資で資産を築ける時代です。このような命の危険を簡単に回避できます。もちろん騙された根本的な問題の解決にはなりませんが、自分の命や家族の命は守れます。
耐震偽装問題の隠れた、もう一つの教訓だと私は感じました。
★マンション建築の現場
購入するお客さんに偽装を見抜く術はなく、信頼して購入するしかない状況ですので、避けようがなかったと思います。
私自身もマンションを見ただけではわからないと思いますし、ましてや新築マンションの場合は、建築前に購入する場合も多いので、信頼して購入するしか手はありません。
すごく同じ不動産に携わる者として、残念で、悲しい事件です。
私の兄と父が鉄筋工という、マンションなどの鉄筋を造る仕事をしていましたので、兄とその話になったときに、やはり現場の職人は規模や構造の割には鉄筋の数が少ないことを経験則的にわかっていたと思う。と兄が言っていました。
「俺ならわかる」 といってました。
やはり現場の職人さんはわかっていたと思います。
しかし現場の職人は一級建築士の免許を持っているわけではなく、耐震性がどうとかなどはわかっていないので、わざわざ建築主に報告したり、検査機関に報告することもありません。あくまで造るのが仕事の職人です。
兄も、「少ないのでは?」と思っていても造り続けしかないよ。といっていました。
これだけ問題が大きくなる前にもっと早くになんとかできなかったのかとシステムや仕組みの問題を改善しなければ繰り返すことになるでしょう。
不動産業界、建築業界のシステム自体がその原因であることは、はっきりしています。
いつまで同じことを繰り返すのでしょうか。。。 |